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TOPお客様の声〈特別編〉日常と”デザイン”、建築をシームレスに

〈特別編〉日常と”デザイン”、建築をシームレスに

新潟市中央区 株式会社フレーム 様

〈特別編〉日常と”デザイン”、建築をシームレスに

【対談】
フレーム代表 石川竜太さん × 全建代表 渡辺公太

日本酒、クラフトジン、チョコレート、ペットボトルのお茶。
「あの」ブランド、「あの」お店。
誰もが一度は目にしたことのあるロゴやパッケージなど、著名なデザインを手掛ける
デザイン会社株式会社フレームが、2023年4月に事務所を新築。
土地探しから設計、施工まで、どのようにコラボレーションを行ったのか。
フレーム代表の石川竜太さんと代表の渡辺公太が振り返りました。

きっかけ、設計のポイント、そして”デザイン”への思いとは。
フレーム オフィス 1階の「prefix coffee stand(プリフィックス コーヒー スタンド)」からお届けします!

 

 

「”デザイン”を日常に発信」。1階をカフェ、2階を仕事場に

全建代表  渡辺公太(以下:渡辺): 昨年、全建は企業ロゴを一新したのですが、その相談に乗っていただいたのがフレームさんでした。

フレーム代表 石川竜太さん(以下、石川): 打ち合せで「G.lab NIIGATA(ジーラボ ニイガタ)にうかがった際、amadanaがプロデュースする「amadana base」という規格住宅のパンフレットが目について。amadana といえば、オシャレ家電の先駆け。懐かしく、同時に「こんなお店みたいな家があるんだ」 と思って、興味を惹かれました。

渡辺: 石川さんとは同世代なので、刺さるポイントが同じでした。その時「いくらくらいで建てられるのか」「家賃を払い続けるのはどうだろう」、そんな話にもなりました。

石川: 前のオフィスは賃貸で、場所は新潟市の中心「万代エリア」。もともと、街中より田舎が良くて、でも、建てるとなると土地から探さなければならない。だから、すぐに計画を進めることではないと思っていました。それが...。

渡辺: タイミングよく、おもしろい土地の情報が入ったんです。海の目の前、隣には公園と駐車場。これはなかなか巡り合えない土地だと思って、石川さんに「どうですか?」と。

石川: 画像を送ってもらって、すぐに見に行きました。実はイメージしていた場所は、新潟駅にほど近いながらも、ノスタルジックな雰囲気を残した沼垂エリアの中古物件。しかも「海」にはこだわっていなかったんです。

渡辺: でも、すぐに「お願いします」と連絡をいただいて。

石川: もともと、会社の中にカフェをつくりたいと思っていたんです。そう考えたら、理想的だなと。

渡辺: そもそも、なぜカフェだったんですか?

石川: コロナ禍の間に、燕市産業史料館で「フレームのデザイン展」を行ったんです。その時、普段、”デザイン”とはあまり関わりのない、一般の方々が興味を持ってくださったのが嬉しくて。「仕事を知ってもらう場があるのはいいな。日常的に発信する場所をつくりたい」と思ったんです。

渡辺: 実際、カフェにあるモニターには、制作されたロゴが次々と映し出されていますね。「あのデザインも?」「このデザインも?」と、先ほどから盛り上がっています。

石川: ここには、求めていた自然があって、しかも海に近いからカフェにもいい。もう一つ「(スタッフの)みんなが気持ちよく仕事ができたらいい」と思っていましたが、3つがすべて、揃っていた。

渡辺: 土地については「とにかく早く手を打たないと」と。そのくらい希少価値が高かった。売地は2倍の広さでしたが、とりあえず弊社で購入して、半分をフレームさんに。もう半分もすぐにオーナー様が決まりました。

「”デザイン”を日常に発信」。1階をカフェ、2階を仕事場に

海を見下ろす高台。ロケーションを生かすべく「開放感」を設計

渡辺: 設計は「amadana base」のプランをベースに考えていきました。「好きを暮らしの真ん中に」というコンセプトの通り、玄関前と2階にはテラス、入ると吹き抜けがあって、アウトドア、音楽、グリーンなど、趣味やこだわりを楽しめる。シームレスにつながる空間です。加えて、このロケーションなので、2階からの景色を大きく取り込むことも絶対条件でした。

石川: 解放感、すごいですよ。オフィスは2階に集約していますが、スタッフからも「解放感があって気持ちいい」と。

渡辺: 限られた面積に、スタッフの人数に応じた仕事スペースを設けるべく、壁面を効率的に使いました。石川さんの部屋からの眺めがベストではありますが、スタッフの方からもそう言っていただけて安心しました。

石川: どこに座っても、ふっと顔を上げて、横を向いたり振り向いたりした時に、海が見えるといいなと思っていました。まさにその通りになって。

渡辺: でも、面積で言えば、前のオフィスの方が広さは有りましたよね。

石川: ええ。当初、スタッフに「新しいオフィスを作るよ。引っ越すよ」と伝えたら「広くなるんですか?」と。「いや、狭くなる」と言ったら、「(新しくするのに)そんなことってあるんですか」って。でも、前のオフィスの窓は明かり取りで、打ち合わせ中に見えたのは隣のビルの看板。狭くなりましたが、解放感は以前より感じるようになりました。

渡辺: 移転に伴って、フリーアドレスも導入しましたよね。しかも先ほど聞いたら、「前日と同じ席に座らない」という約束もあるとか。

石川: 以前から、個々のデスクは無くしたくて。たとえフリーアドレスにしても、居場所が決まってしまったら何の効果も生まれない。

渡辺: 設計の立場から言うと、個々のデスクではなく、壁付けの長いカウンターにできたので、省スペースにはなりました。

石川: デスクの引出しの中って、不要なものが入っていることが多いんです。世の中はペーパーレスになっているのに、使わないプリント物が入りっぱなし。もっと言えば、引出しの中で一番、出入りしているのが案外、”アメ玉”だったりというのも、笑えない本当の話で。あと、私がだいたい最後に会社を出るんですが、デスクの上が散らかったままなのを見ると「うーん」と。偉そうなこと言いますけど、そういうところでいい仕事ができるとは思えない。

渡辺: とはいえ、スタッフ側になると、抵抗もあるだろうと。だれでも、ベースというか基地を作りたくなるから。

石川: もちろん、反対はありました。でも、最近スタッフに聞いたら、「集中したい日には籠れる感じのスペース、リラックスして仕事したい日は眺めのいいスペース」と、使い分けていたりして、フリーアドレスのいい面も出てきています。もっと言えば、このフリーアドレスは、「狭さ」によって加速された。そう思っています。

海を見下ろす高台。ロケーションを生かすべく「開放感」を設計

「”デザイン”をもっと身近に」(石川)「好きなことを共有して、暮らしから”家”へ」(渡辺)

渡辺: 仕事の合間に、1階に下りてコーヒーを飲んだり、外に出てちょっと休んだり、散歩したり。そんな風景を思い描いていました。建物の前にあえてオープンスペースを広く取ったのも、目的を決めない場所やプラスαの余白があることで、新しい発想が生まれるのではと。

石川: スタッフが、カフェや外を歩きまわることで、外の人に”デザイン”を何となく、感じてもらえるといい。「デザインを身近に」というのが私自身のテーマで、その思いを具現化してもらいました。 実際、コーヒーを飲みに来た人から、「上は何ですか?」と聞かれることも多いみたいで。この地域に住んでいるお年寄りの方々やウォーキング途中の方も、足繁く、通ってくれています。「お茶飲めるところ、この辺にないでしょ。欲しかったのよ」と。日常とデザインがシームレスになっているのは、まさに、求めていた景色。

渡辺: 石川さんは「デザインの定義を広げたい」ともおっしゃっていますよね。この場所は、その実現にもつながるのかなと。

石川: 「デザイナー」って、一般の方にはどんな職業なのかわからない。しかも、ロゴにしろパッケージにしろ、形になったものはみんなの目に触れるけれど、実は、そこまでの過程も”デザイン”。そうしたことも、この場所を通じて感じてほしかった。

渡辺: 弊社のロゴを作っていただいた際、まず「言語化」したのが印象的でした。今思うと、あれこれ石川さんと話したのも、デザインの一部だったんですね。

石川: カフェがあることで、”デザイン”への敷居が低くなるし、定義も広がる、そう思っています。全建さんの「G.lab NIIGATA」もそうですよね。カフェがあって、グリーンのお店があって、アウトドアの提案があって。

渡辺: 家づくりへのハードルを下げたい、という思いがありました。コーヒーとか、鉢一つとか、何らかのきっかけで入ってもらいたいと...。好きなものを一緒に共有して、趣味や暮らし方から、一緒に家づくりを考えていければと。

石川: ゆくゆくはこのカフェで、いろんな交流がつくれたらいいなと思っています。建築の人、デザインの人、アーティストとか。

渡辺: いろんな分野の人が、分野を超えて、敷居なく出会ったり、話したりできるのはいいですね。オフィスではなく、カフェだから、「ふらっと行ける」。

石川: 玄関前のスペースにキッチンカーを出して、ホットサンドを売ったりしてもいいとか、どんどん夢が広がっています。

渡辺: いいですね。そうしたら、G.labNIIGATAから自転車でおじゃましますね。

「”デザイン”をもっと身近に」(石川)「好きなことを共有して、暮らしから”家”へ」(渡辺)

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